DWIBS検査とはどんな検査?

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DWIBS(ドゥイブス)は、MRIを用いた最新の全身がん検査です。これまで全身のがんを調べる検査としてはPET-CTが主流でしたが、DWIBSはより安全に、そして楽に受けることができる検査です。DWIBSについて、PET-CTとのちがいも含めてわかりやすくまとめました。
DWIBSとは?
DWIBS(Diffusion-weighted Whole body Imaging with Background body signal:背景抑制広範囲拡散強調画像)は、MRI検査の一種です。がん(悪性腫瘍)の組織は通常の組織と比べて細胞と細胞の間が狭い(細胞密度が高い)ことに着目し、細胞と細胞の間の水の動きを画像化することによって病変を検出します。
がんの他、炎症のある部位、またリンパ節や脾臓など一部の正常臓器も描出されます。
DWIBSでわかること
DWIBSは、体幹部(首の下から骨盤まで)のがん組織の検出が可能です。予期せぬがんを発見するほか、がんの転移や治療効果の確認などに威力を発揮しています。
DWIBSで見つけやすいがんには以下のようなものがあります。
- 頚部:咽頭がん、甲状腺がん
- 胸部:乳がん
- 腹部:肝臓がん、胆のうがん、胆管がん、膵臓がん、大腸がん、婦人科系のがん(子宮がん、卵巣がんなど)、
陰のうがん、尿路系のがん(腎がん・尿管がん・膀胱がん・前立腺がん) - その他:悪性リンパ腫
この中でも、特に尿路系のがん(腎がん、尿管がん、膀胱がん、前立腺がんなど)の診断を得意としています。一方、胃がんや食道がん、肺がんの診断能力は比較的低めです。これらのがんを見つけるためには、胃部検査や胸部CTなど他の検査と上手に組み合わせることがおすすめです。
DWIBSのメリット
DWIBSは、PET-CTと比べると、以下のようなメリットがあります。
- 放射線を使用しないため、被爆が全くない:PET-CTはCTによる被曝の他、腫瘍を描出するための薬剤(FDG)による被曝がわずかにあります。
- 造影剤を使用しないので副作用の心配がなく、定期的に検査可能
- 注射がいらない:PET-CTではFDGと造影剤を注射する必要があります。
- 検査時の食事制限がない:PET-CTはがん細胞にブドウ糖が集まる性質を利用する検査のため、検査前5時間程度の絶食が必要です。
- 糖尿病の方でも安心して検査可能:PET-CTは血糖値の高い糖尿病患者さんは受けられないことがあります。
- 検査時間が短い:30〜40分程度:PET-CTは全部で3時間前後かかります。
DWIBSの限界
DWIBSはとても良い検査ですが、以下の点に注意が必要です。
① 通常のMRI検査と同様、下記に当てはまる方は検査できません。
- MRI対応不可の金属(ペースメーカー、人工内耳など)等が体内にある方
- タトゥーを入れている方
- 閉所恐怖症の方
- 妊婦さん、または妊娠の可能性がある方
- 検査中(30-40分間)静止していることが難しい方
② 当然ですが、全てのがんを見つけることはできません。不得意な分野の病変、小さい病変は検出できないことがあります。
異常があれば、精密検査をしましょう。
③ 発見された病変がすべてがんというわけではありません。本当にがんかどうかについては改めて精査が必要です。
まとめ
DWIBSは、PET-CTと比較して検査費用も検査時間も少なく、身体的にも負担が少ない「がん検査」の一つと言えます。特に毎日忙しくて時間がなかなか確保しにくいビジネスマンや主婦の方、毎年定期的に検査を受けて結果を比較したい方におすすめの検査です。ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。