骨粗鬆症外来
100歳まで元気に生きる!
男女ともに平均寿命は80歳を超えていますが、健康寿命は70~75歳と言われています。
健康寿命を短くする一番の原因は、骨折により日常生活が不自由になったり、寝たきりになることです。
長寿かつ健康に過ごすことに関心が高まっている今、健康寿命をのばすために骨粗鬆症の予防・治療が重要です。
骨粗鬆症患者は推定1200万人と言われていますが、80%の方は治療していません。なぜなら、症状に乏しいからです。
骨折して初めて気づく、では遅すぎます。
当院では、医師・看護師・リハビリテーションスタッフ・レントゲン技師がチームとなって、骨粗鬆症診療体制を整えています。
地域の皆様の健康と、生き生きとした毎日のために、当院がお力になれたら大変嬉しく思います。
骨折歴がある方はもちろん、女性は60歳、男性は70歳を目安に是非ご相談ください。
骨粗鬆症の症状と治療について
骨粗鬆症とは、骨を溶かす骨吸収と骨を作る骨形成のバランスが崩れ、相対的に骨吸収が優位になったことで骨量の減少が起こり、骨がもろく骨折が起こりやすくなる病気です。
骨粗鬆症の患者さんは女性が男性の約3倍で、年齢とともに増加します。
高齢化が進むにつれて、骨粗鬆症の患者さんは増加し、未治療の結果として骨折をきたし、寝たきりになる危険性が危惧されています。
[ 診断 ]
1.脊椎の圧迫骨折をみとめる
2.脊椎の骨密度が70%未満
上記のいずれかに該当する場合に、骨粗鬆症と診断されます。
骨密度の測定方法・測定部位は様々ですが、当院で行なっているDXA法(デキサ法)による腰椎の測定が基本とされています。
(超音波によるものや、手首での計測はあくまで目安になります。)
[ 治療 ]
1.食事療法
2.運動療法
3.薬物療法(内服、注射)
治療もさまざまですが、年齢・性別・骨折の有無・骨密度を考慮して治療を行いますので、ご相談ください。
もちろん検査だけを希望の方も歓迎いたします。
[ お薬について ]
患者様の生活やご希望をお伺いした上で、医師が適したお薬を処方します。
継続した骨粗鬆症薬の服用が大切です。
内服薬(1日1回/週1回/月1回)
- カルシウムの補充
- L-アスパラギン酸Ca錠
- カルシウムの吸収促進
- エディロール
- 骨破壊を抑制
- アレンドロン酸、リセドロン酸、ミノドロン酸
- 女性ホルモン受容体に作用
- ラロキシフェン ※飲みにくい場合はゼリーもあります
注射薬(週1回/月1回/半年に1回)
- 骨形成を促進
- テリボン、フォルテオ、イベニティ
- 骨破壊を抑制
- ボンビバ、エルカトニン、プラリア、リクラスト
副作用について
どの薬も、一般的な副作用(発疹、胃痛・胸焼け等の胃腸症状、口内炎等)が 起こる可能性があります。
何か異常を感じたら、かかりつけの医師などにご相談ください。
お薬や注射に抵抗のある方も、副作用の少ないカルシウムやビタミンから内服を開始できます。
特 徴
- カルシウムの吸収促進
- 骨形成の促進…新しい骨をつくる働き
- 骨吸収を抑制する…古い骨を壊す働き
骨粗鬆症薬と歯科治療

骨粗鬆症薬の「ビスフォスフォネート剤(以下BP)(と抗RANKL製剤、ロモソズマブ)」に顎骨壊死という副作用が報告されています。
顎骨壊死を発症すると歯科治療が非常に困難となるため、問題視されています。
しかしながら、骨粗鬆症薬による顎骨壊死の発生頻度は0.01%です。
口腔内が清潔に保たれている方、薬剤を使用して4年以内の方は、歯科治療をしても基本的に休薬の必要はありません。
口腔内の細菌感染がある、糖尿病等で感染しやすい状態、4年以上使用している方は医師に相談して、必要なら抜歯2か月前から休薬します。
休薬後の再開時期は、口腔内の状態にもよりますが、2週間~2か月程度です。
骨粗鬆症薬を使用すると歯の治療が受けられないと思われる方がいらっしゃいますが、そうではないことをご理解ください。
また、「ビスフォスフォネート剤(以下BP)(と抗RANKL製剤、ロモソズマブ)」以外の骨粗鬆症薬は歯科治療に影響はありません。
歯科医師宛に、内服状況等の診療情報を提供することも可能です。不安がある方はお申し出ください。