新横浜整形外科リウマチ科

治療方針について

新横浜に開院後10年以上が経ちました。
リウマチ患者様が年々増え、今まで以上に患者様の不安を取り除けるようスタッフ一同サポート体制を強化して参ります。

日々の生活で不安がございましたらコンシェルジュがお伺いいたします。
痛みがあれば整形外科に相談できる体制をとっており、骨粗鬆症・ロコモティブシンドロームに不安がある方は、リハビリの提供もご提案いたします。

薬物療法

以前の治療では、炎症や痛みを抑える薬を処方がほとんどでした。
現在では、炎症や痛みを抑えるだけでなく、病気の進行を食い止めて関節が破壊されるのを防ぎ、患者さんの生活の質を高める治療ができるようになってきました。
当院では日本で発売しているほぼ全ての生物製剤を導入しております。

①消炎鎮痛薬

一般的に使用される痛み止め、関節の炎症と痛みを抑える
長期の内服で胃を痛めることがある

②ステロイド

疾患の活動性を抑え痛みが劇的に改善することが多い、副作用もあり、使用期間を区切って使用したり、投与量を慎重に判断する

③メトトレキサート(MTX)

治療の基本となる薬、(妊婦、授乳中、骨髄抑制、肝障害、腎障害、活動性結核等禁忌あり)副作用の予防で、2日後に葉酸を内服

④抗リウマチ薬

免疫異常を抑え炎症や活動性を抑える
効果が出るまでに2か月程度かかることもあるが、持続性がある
効果が減弱したり無効となったら、切り替えや併用を検討する
MTX以外に下記薬剤がある
サラゾスルファピリジン,ブシラミン,タクロリムス,ミゾリビン,イグラモチド,レフルノミド

⑤生物学的製剤

炎症の原因物質であるサイトカイン(TNFやIL-6)の働きを妨げたり、サイトカインを生産する細胞を抑制し、炎症を抑えます。
抗リウマチ薬でコントロールが難しい場合は生物学的製剤の追加もしくは切り替えをします。MTXと一緒に使用することが多いです。
免疫が抑制されるので、肺炎等の感染症が起きないよう、副作用の発現に注意が必要です。

  ★TNF阻害薬
   TNFという免疫異常を起こしている物質の動きを止めて効果を発揮します。
  ★IL-6阻害薬
   IL-6の過剰な産生を抑え、免疫や炎症を調節します。
  ★T細胞阻害薬
   免疫を司るT細胞の働きを抑え、誤って自分の体を攻撃しないようにします。

薬品名 エンブレル(50mg) シンポニー(50mg) シムジア(200mg) ヒュミラ(40mg) アクテムラ(162mg) ケブザラ(200mg) オレンシア(125mg)
一般名 エタネルセプト ゴリムマブ セルトリズマブペゴル アダリムマブ トシリズマブ サリルマブ アバタセプト
薬効分類 TNFα/β TNFα TNFα TNFα IL-6 IL-6 T細胞
投与頻度 1~2回/週 1回/4週 1回/2~4週
(初回2週4週以後上記)
1回/2週 1回/1~2週 1回/2週 1回/週
投与法 皮下注射 皮下注射 皮下注射 皮下注射 皮下注射 皮下注射 皮下注射
MTX併用 しなくてもよい、併用可 推奨 推奨 原則併用 しなくてもよい、併用可 やや推奨 しなくてもよい、併用可
月あたりの金額<10割> 約10.1万
(約6.8万:後発品)
約12万 約12.2万 約12.6万
(約8万:後発品)
約6.5万 約9.8万 約11.5万
特徴 安全性が高い
高齢者に選択される
透析患者
後発品あり
注射間隔が長い
痛みが少ない
妊娠中の使用可能 MTXと併用で高い効果あり
DMARDsと併用可
若年者に選択される
単独使用でも有効性高い
透析患者
効果発現はやや遅い
MTX効果減弱の際選択
副作用やや少ない
高齢者に選択される
透析患者
副作用やや少ない

⑥JAK阻害剤

他剤で効果不十分の際に選択される、比較的新しい薬剤です。内服薬のみです。
ゼルヤンツ,オルミエント,リンヴォック

手術療法

薬物療法が著しく進歩したことで、関節破壊を生じる患者さんが少なくなる、もしくは関節破壊されるまでの期間が長くなっています。しかしながら、関節障害を来すケースもあり、日常生活動作を向上させるために、下記手術が検討されることがあります。

  •   滑膜切除術
  •   人工関節置換術
  •   関節固定術
  •   関節形成術

当院では手術療法は行っておりません。必要に応じて、総合病院への紹介をさせていただきます。

リハビリ

発症初期から、関節の炎症を軽減したり、関節の動きをよくするためにリハビリテーションが行われます。
機能回復や機能維持をすることで、動きの制限や痛みがない日常生活を目指します。
筋力低下を予防するためにもリウマチ初期状態から行います。
また、1人1人のリウマチの進行状況に合わせたリハビリをご提案いたします。
過度に動かすと炎症が悪化することもあるため、、医師の処方に基づいて理学療法士が指導いたします。

運動療法

関節の動きを改善したり、筋力を付けることで関節への負担を軽減します。また、生活指導や体操指導を行うことで、負担の少ない日常生活を送れるようにします。

物理療法

超音波やマイクロ波等の電気治療、ホットパック等の温熱治療、冷却療法等を行います。

装具療法

装具によって、関節の負担を軽減したり、変形予防や矯正を行います。

リウマチ治療の目標は「炎症を抑え、骨関節破壊を抑える、それにより日常生活が問題なく行えるようにすること」です。さらにこの状態を維持できるようにします。
患者さんとともに治療について考え、各診療科が、専門分野を生かし、より多くの患者様を支援できるよう尽力します。
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