新横浜整形外科リウマチ科

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足関節捻挫とは

足関節(そくかんせつ、あしかんせつ)とは、いわゆる足首のことを指します。
足関節捻挫(ねんざ)とは、足首をひねることで起こる病気です。割とよく起こる病気なので受傷後もそのまま放置している方が多いですが、痛みがいつまでも残ったり、捻挫をしやすくなったり、足首がグラグラしてゆるい感じが残ったりすることがあります。

今回は、足関節捻挫のほとんどを占める足関節の外側の靱帯(前距腓(ぜんきょひ)靱帯、踵腓(しょうひ)靱帯、後距腓(こうきょひ)靱帯)の損傷について、その原因と症状、検査、治療およびリハビリテーションなどをわかりやすく解説します。

足関節捻挫の原因

足関節捻挫の主な原因は、足首を内側にひねることです。
多くは外傷(がいしょう:怪我のこと)がきっかけで起こります。
スポーツ中はもちろんのこと、段差を踏み外したなど、日常生活でのちょっとした動きが原因で起こることもあります。
足の捻挫

足関節捻挫の症状

足関節捻挫の主な症状は、足首の痛みと腫れです。特に外くるぶし(外顆:がいか)の前や下のあたりの痛みが特徴的です。
黙っていると痛くないけれど、押すと痛い(圧痛)こともあります。症状が強い場合は、痛みのために歩くことができないこともあります。

また、足首の腫れや皮下出血もよくある症状です。痛みがあるのと同じ場所が腫れることが多いです。

足関節捻挫は、靱帯の傷(損傷)の程度で下の3段階に分けられます。

第1度(軽 症):靱帯の損傷がない、もしくはごく軽いもの(靱帯が伸びる程度)
第2度(中等症):靱帯の一部が切れたもの
第3度(重 症):靱帯が完全に切れたもの

足関節捻挫の検査

問診や触診、身体所見から足関節捻挫を疑う場合、足関節のレントゲン写真を撮り、骨折がないことを確認します。
特に小児の場合は骨折をきたしていることが多いので、入念な確認が必要です。MRI検査は、靱帯や軟骨の損傷の程度を評価するのに有用です。
スポーツの現場などでは最近超音波検査が多く用いられています。靱帯の損傷の程度や靱帯の治り具合を見るのに効果的です。

足関節捻挫の治療

足関節捻挫かな、と思ったら、まずは応急処置のRICE療法を徹底的に行います。RICE療法とはRest(安静)、Icing(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)の頭文字を取った治療法であり、捻挫に限らず肉離れや打撲など、外傷一般に使える応急措置です。

足関節捻挫の治療には、ギプスや装具で関節を固定する保存療法と、手術で靱帯を再建する手術療法があります。

通常の捻挫の場合は、まず保存療法が選択されます。
I度の場合はテーピングやサポーター、II・III度の場合はシーネやギプス、また副え木を用いた外固定などを行うことが多いです。固定は痛みが和らぐまで行います。目安としては3週間程度が一般的です。

手術療法を検討するのは、足関節外側靱帯が完全に切れたIII度のケースで足首の動揺性が重度の場合です。主にスポーツ選手や仕事で足を使う方が対象となります。手術は切れた靱帯をつなぐ手術(靱帯縫合術、骨へのアンカー縫合術など)を行います。

足関節捻挫のリハビリ

足関節捻挫の治療には、リハビリテーションがとても大切です。受傷後早いうちから、硬くなった足首を柔らかくする可動域訓練や足関節周り・体幹の筋トレ、バランス訓練などを行います。治り具体に応じてジョギングやダッシュ、ストップやサイドキックなどの実践練習を加えます。

まとめ

以上、足関節捻挫について簡単にまとめました。足関節捻挫はスポーツ外傷のうち最もよく見られるもののひとつであると同時に、軽く見られて放置されることの多い病気です。
靱帯の損傷の程度によっては手術をした方が早く治る場合もあります。また当院ではリハビリテーションにより早期の社会復帰・競技復帰にも力を入れていますので、「足首を捻ったな」と思ったら、ぜひ一度当院までお越しください。


参考文献
https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/sprain_of_ankle.html
http://jossm.or.jp/series/flie/002.pdf
https://clinicalsup.jp/jpoc/ContentPage.aspx?DiseaseID=2013
https://www.hosp.hyo-med.ac.jp/disease_guide/detail/95

足関節捻挫

足の靱帯