新横浜整形外科リウマチ科

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尋常性乾癬

尋常性乾癬は、皮膚に大きく丸い湿疹がたくさんできるのが特徴です。
湿疹の表面からフケのようなものが落ちること、かゆみが強いこともあり、日常生活上お困りの方が多い病気です。
今回は尋常性乾癬の特徴や治療法などについての基本をわかりやすくまとめるとともに、予防についても簡単に触れました。「乾癬かも?」とお困りの方は、ぜひじっくりお読みください。

尋常性乾癬の特徴、症状

尋常性乾癬の特徴は、境界のはっきりした大きく丸い皮膚病変です。
大きさは数cmから、大きなでは数十cmにもなることがよくあります。皮膚は赤くなって盛り上がり、表面に銀白色のフケのようなものができ、ぼろぼろと剥がれ落ちてきます。
乾癬写真

日本における患者さんの数は5~10万人以上とされています。
30~50歳代によく発症し、男女比は2対1と男性の方がやや多いです。

尋常性乾癬の病変は、全身どこにでもできる可能性があります。
比較的できやすい場所としては、刺激が加わりやすいひじやひざ、日光に当たることの少ない頭部や腰部、外陰部が挙げられます。爪も病変ができやすい場所の一つです。

症状は多くの場合、皮膚の症状だけです。その半数にかゆみが見られます。
全身の他の症状が見られることは比較的まれですが、関節症状などがある特殊な病型と診断されている方が10%あまりおられます。

一度発症するとなかなか治りにくいのが特徴です。皮膚に傷がつくとそこに新しい皮膚病変ができますが、人にうつることはありません。

尋常性乾癬の原因

尋常性乾癬の明らかな原因は、まだはっきりとはわかっていません。
尋常性乾癬になりやすい遺伝的な素質に加えて、環境的な要因(不規則な生活や食事、ストレス、肥満、感染症、特殊な薬剤など)が加わると発症するとされます。

尋常性乾癬の治療について

尋常性乾癬を根本的に治す方法は、まだ開発されていません。
現在行われている治療は、皮膚の病変を消失させること、また新しい病変ができにくくすることを目的としています。

尋常性乾癬の主な治療法としては、塗り薬(外用薬)と飲み薬(内用薬)を含めた薬物療法、生物学的製剤、光線療法、顆粒球除去療法などがあります。

一般的には、軽症の場合は外用薬を、中等症の場合は外用薬に加えて光線療法や内服薬を、重症の場合には生物学的製剤の使用を検討します。

お薬について

尋常性乾癬の治療に用いられるお薬には、皮膚に直接塗る外用薬(ステロイド外用薬、活性型ビタミンD3外用薬)、飲み薬(エトレチナート、シクロスポリン、メソトレキサート、止痒薬、抗生物質など)などがあります。

最近注目されているのは、慢性関節リウマチなどの治療に用いる生物学的製剤です。

尋常性乾癬の予防

家族の方に尋常性乾癬の方がいるなど、尋常性乾癬になりやすいとされている人は、規則正しい生活を送り、ストレスを溜めないように心がけましょう。
また肥満は尋常性乾癬の原因となり得るので、体重が増えすぎないようにするのも大切なポイントです。

すでに尋常性乾癬と診断されている方は、適度な日光浴をおすすめします。
逆に悪くなる方もいますし、あまりやりすぎると逆効果となりますので、詳しくは主治医の先生とご相談ください。

皮膚に刺激が加わるような行動(過度の圧迫や摩擦、怪我など)を避けましょう。
刺激が加わった部位に新しい乾癬の病変ができる可能性があります。また、かゆみがある時にはお酒やタバコ、また刺激のある食べ物を摂らないようにしましょう。
長時間の入浴も、かゆみを増す原因となります。

まとめ

以上、尋常性乾癬について簡単にまとめました。
尋常性乾癬は基本的に命に関わる病気ではありませんが、見た目やかゆみなどから生活の質を著しく落とす病気です。
根本的な治療法はないものの、薬物治療などの組み合わせで症状を抑えることが可能です。「もしかしたら乾癬かな?」と思う皮膚の病変をお持ちの方は、お気軽に病院を受診してみましょう。


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